データベース
Match Summary
関東ジュニアテニス選手権大会 2回戦丸尾栄一郎 − 井出義明(第5シード)

※○はサービスキープ、◎はサービスブレイク
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【管理人的解説】
全日本ジュニアテニス選手権大会の出場権が懸かる関東ジュニアテニス選手権大会2回戦。
この試合に勝つか負けるかで天国と地獄に分かれる運命の一戦であり、敗北すればエーちゃんにとってはプロを懸けた最後の試合にもなりかねない。
対戦相手の井出くんは半年前の全日本ジュニア選抜室内テニス選手権大会ではベスト8に入る全国上位の実力者。
さらに試合前に井出くんが交通事故に遭った子どもを助け観客が増大するなど圧倒的な井出くんムードが出来上がり、試合前から天性のスター性を発揮し見えないプレッシャーを与える、エーちゃんにとっては経験のない展開からスタートすることになった。
そのような中、始まった1stセットの立ち上がり、精神力Aのエーちゃんは会場の雰囲気に飲まれるどころか、難波江くんの話を参考に冷静に先手必勝を狙い、そしてなっちゃんとの練習試合の経験も活かすなど過去の情報を駆使しリードを奪う。
しかし1stセット中盤からは井出くんも実力を発揮し始め、そこからは井出くんが追いかけエーちゃんが逃げるというエーちゃんにとっては苦しい時間が続く。
2ndセット第8ゲームでついに追いかけていた井出くんがエーちゃんを捕らえ初ブレイクに成功する。
何とかサービスキープを繰り返していた均衡が崩れたのは交通事故に遭った子どもが応援に駆けつけたことが大きな要因。会場が尋常ならざる雰囲気に。
しかしエーちゃんも0-40からズルズル流されてしまうのではなく30-40まで挽回していることに注目しておきたい。
Finalセットは、難波江くんの存在によって現状把握したエーちゃんのプレッシャーとの戦い・自分との戦い。
自分に勝てば試合に勝てるということはそれだけの実力が備わっていることが最低条件。
プレッシャーに打ち勝ったところで実力が伴っていなければ結局のところ試合では勝てない。
この大会に向けてやってきたことが実を結び全国上位の相手と互角の実力を身に付けたからこそ、自分との戦いというステージに移ることが出来た。
試合開始直後は観客のほとんどが井出くんの応援であったが終盤はエーちゃんを応援する人も増え、試合終了時には大激闘に相応しい大歓声に包まれ幕を閉じた。
振り返ってみれば大激闘だったにも関わらずエーちゃんのサービスゲームがブレイクされたのは1回だけ。
1stセット終盤、ノッてきた井出くんにブレイクを許さず逃げ切り、2ndセット序盤、井出くんが本領発揮してきて押されても簡単にはブレイクさせず試合が決まってしまうような決定的な流れは許さず、Finalセット第11ゲーム0-30という常人なら飲まれてしまいかねない状況でもブレイクさせなかった。
苦しい流れのときも多かったが、それでもブレイクさせなかったエーちゃんのキープ力・底力、そして精神力の強さを見た試合。
結果が求められる試合で見事に結果を出した。